「んん……」
目を覚ますともう朝だった。閉めていたはずのカーテンは開け放たれている。熱はすっかり下がったようで身体はスッキリしていた。
「ん、おはようあむ」
そんな声が聞こえて目を向けると穏やかに微笑んだ透李が赤のカラーコンタクトを入れるために鏡を覗いていた。
「熱下がった?早く支度しないとお仕事に遅れるよ」
「え?え?あ、はい」
昨日寝る前に見たような気がするゆるふわな透李は見間違いじゃなかったらしい……。
「今日はなにか予定あったっけ。ごめん、昨日あのまま泣き疲れて一緒に寝ちゃって、手帳は自室なんだ」
透李が右手に包帯をくるくると巻きながら聞いてくる。
「あ、と。緋女様がチトセっちと焔神(えんしん)教会にお祈りに行くって」
「そう、なら僕も護衛について行くから準備しないとね」
透李が眼帯をつけ、紐をキュッと結ぶ。目を少しだけ閉じて、開けたときにはもう目つきがかわっていた。
「よし、行くぞ蜘蛛女!」
「は、はい!透李っち!」
透李の変わりように頭の中が混乱しつつも一緒に部屋を出る。
ばったり緋女と出くわし、緋女は突然開いた扉に驚き目を見開いている。チトセはいつも通りニコニコ笑っている。
「あむ、透李、おはよう。あむ、もう体調は大丈夫か?」
頷いてみせると緋女は穏やかに微笑んだ。
そのまま食堂に向かうのかまた廊下を歩き出す緋女とすれ違いざま、またチトセに耳打ちされる。
「昨日はお楽しみでしたね」
「ち、違いますけど!?」
大声で言い返すと緋女が不思議そうに振り返ったがチトセが誤魔化して食堂に連れていった。
……ほんとにあの執事性格悪い。
そう思っていると、後ろで透李も穏やかに笑っていた。
目を覚ますともう朝だった。閉めていたはずのカーテンは開け放たれている。熱はすっかり下がったようで身体はスッキリしていた。
「ん、おはようあむ」
そんな声が聞こえて目を向けると穏やかに微笑んだ透李が赤のカラーコンタクトを入れるために鏡を覗いていた。
「熱下がった?早く支度しないとお仕事に遅れるよ」
「え?え?あ、はい」
昨日寝る前に見たような気がするゆるふわな透李は見間違いじゃなかったらしい……。
「今日はなにか予定あったっけ。ごめん、昨日あのまま泣き疲れて一緒に寝ちゃって、手帳は自室なんだ」
透李が右手に包帯をくるくると巻きながら聞いてくる。
「あ、と。緋女様がチトセっちと焔神(えんしん)教会にお祈りに行くって」
「そう、なら僕も護衛について行くから準備しないとね」
透李が眼帯をつけ、紐をキュッと結ぶ。目を少しだけ閉じて、開けたときにはもう目つきがかわっていた。
「よし、行くぞ蜘蛛女!」
「は、はい!透李っち!」
透李の変わりように頭の中が混乱しつつも一緒に部屋を出る。
ばったり緋女と出くわし、緋女は突然開いた扉に驚き目を見開いている。チトセはいつも通りニコニコ笑っている。
「あむ、透李、おはよう。あむ、もう体調は大丈夫か?」
頷いてみせると緋女は穏やかに微笑んだ。
そのまま食堂に向かうのかまた廊下を歩き出す緋女とすれ違いざま、またチトセに耳打ちされる。
「昨日はお楽しみでしたね」
「ち、違いますけど!?」
大声で言い返すと緋女が不思議そうに振り返ったがチトセが誤魔化して食堂に連れていった。
……ほんとにあの執事性格悪い。
そう思っていると、後ろで透李も穏やかに笑っていた。