淡雪 氷麗はるんるん気分で歩いていた。
氷の国から追放され、途方もなくさまよっていたところを緋女に助けてもらい、炎の国で働かせて貰っている。今日は緋女の書斎の掃除を頼まれた。いつも頑張ってはいるが緋女の書斎となるとますます頑張ろうという気がおきる。いつもはノックしてから入るのだがちょうどさっき緋女とすれ違ったところだったため、そのままあける。すると
「あ、ごめんなさい!」
「……いえ」
真っ赤な目をした男性が書斎で仕事をしていた。彼とは初対面だ。
「あの、出直します」
「大丈夫ですよ。お掃除ですか?」
頭を下げていうと、優しく問われる。「はい」と答えながら頭をあげると、目が白くなっている。さっきは赤い目に見えたのだが…。
「なら大丈夫ですよ。雑談でもしなかがら。あとは簡単なチェックだけですので」
そう言って彼は資料に目を移す。スっと目の色が赤に変わった。
きくと、彼はハーフヴァンパイアで、海神王宮でアーキビストをしているらしい。名前はなんスーだ。
ハーフヴァンパイアなのね、かっこいい。と思っていると、なんスーが書類をトントンと揃えていた。
「お待たせしました。終わりました。では、俺はこの書類を緋女様に渡しに行きますので失礼いたしま……わっ!」
なんスーが何も無いところで転び……氷麗を押し倒した。
「き、き…キャー!」
氷麗は黄色いとは程遠い声を上げ、思わずなんスーを雪女の能力で氷漬けにして、書斎から逃げ出した。
「なんなのよ、あの人。最悪!」
悪態をつきながらも氷麗の胸はドキドキと波打っていた。
氷の国から追放され、途方もなくさまよっていたところを緋女に助けてもらい、炎の国で働かせて貰っている。今日は緋女の書斎の掃除を頼まれた。いつも頑張ってはいるが緋女の書斎となるとますます頑張ろうという気がおきる。いつもはノックしてから入るのだがちょうどさっき緋女とすれ違ったところだったため、そのままあける。すると
「あ、ごめんなさい!」
「……いえ」
真っ赤な目をした男性が書斎で仕事をしていた。彼とは初対面だ。
「あの、出直します」
「大丈夫ですよ。お掃除ですか?」
頭を下げていうと、優しく問われる。「はい」と答えながら頭をあげると、目が白くなっている。さっきは赤い目に見えたのだが…。
「なら大丈夫ですよ。雑談でもしなかがら。あとは簡単なチェックだけですので」
そう言って彼は資料に目を移す。スっと目の色が赤に変わった。
きくと、彼はハーフヴァンパイアで、海神王宮でアーキビストをしているらしい。名前はなんスーだ。
ハーフヴァンパイアなのね、かっこいい。と思っていると、なんスーが書類をトントンと揃えていた。
「お待たせしました。終わりました。では、俺はこの書類を緋女様に渡しに行きますので失礼いたしま……わっ!」
なんスーが何も無いところで転び……氷麗を押し倒した。
「き、き…キャー!」
氷麗は黄色いとは程遠い声を上げ、思わずなんスーを雪女の能力で氷漬けにして、書斎から逃げ出した。
「なんなのよ、あの人。最悪!」
悪態をつきながらも氷麗の胸はドキドキと波打っていた。