「みくちゃん、ちょっと寄り道していかない?」 学校からの帰り道、先輩が小首をかしげてそう言った。 「清水駅の隣の森駅なんだけど。おいしいカフェがあるんだよね。そこのフレンチトーストがおいしいから、みくちゃんに食べさせてあげたいなぁと思って」 「え?フレンチトーストですか? 大好きです。行きたいです!」 先輩と寄り道ができるのも、一緒にカフェに行けるのもうれしくて、先輩を見つめながら、ふたつ返事でOKをした。