かと思ったら、茉由ちゃんは座っているあたしの両肩をガシッとつかんで、前後に揺らした。 「あーもー、みく。しっかりしなよ。朝陽くんにとってみくなんて、赤子の手をひねるくらい簡単なことなんだよ!」 「でもあたし、先輩のこと好きだもん」 「昨日会ったばかりでしょ」 「そうだけど……」 「あのね、みく。よく聞いて。バレー部の先輩から聞いたんだけど。絢音学園でダントツ人気のある男子は、朝陽くんと中ノ瀬先輩らしいの」