「はぁ」 もはや『はぁ』しか言えない。 言うことがない。 「だからゲストが来るときはいつもの何倍もの数の人間がこの家に出入りするよ。もともと別棟には住み込みのお手伝いさんもいるし、ほとんどのことは業者さんに任せているしね。 さあどうぞ。みくをいつまでも立たせてしまってごめんね」 朝陽くんが片手をあげて、あたしを部屋の中に招いてくれた。