「お客さんでも高齢の方や車いすの方もいらっしゃるしね。そのためにエレベーターがつけてあるんだ。きくさんも階段は大変だしね」 エレベーターについて朝陽くんが教えてくれた。 あたし、そんなに驚いた顔をしていたのかな? きゅっきゅっと触って、顔をもとに戻す。 と言っても、鏡があるわけじゃないから、感覚の話だけど。 エレベーターを降りて、長い廊下を歩いていく。 ふかふかの絨毯。