「みく、今度の土曜日花火を見に行かない? 屋台も出てて楽しいよ~」 と夏休みの下旬、朝陽くんが言った。 「花火ですか、行きたいです。でも朝陽くん、勉強は大丈夫ですか?」 「大丈夫、大丈夫。それに、花火の下でするキスとかいいと思わない?」 「……っ」 それはできたらうれしいけど、そんなにはっきりと聞かれても答えようがない。