「んー、どうしてかな。そこまで好きになった子はいなかったのかもねー」 朝陽くんはひとごとのようにそう言った。 「でもみくは別。今度は俺の部屋に招待してあげる。この前は風邪をひいていてダメだったからね。 部屋には茉由ちゃんも親戚の子も男女ともに誰も入れたことはないんだよ。 親もきくさんも俺が中等部くらいから入ったことはないんじゃないかな? 掃除とかお願いしている業者さんは別だけど」 繋いでいない方の手の人差し指をあごに当てて、朝陽くんは上を向いた。