そう言う朝陽くんは、今まで見たこともない寂し気な表情を見せた。 でもそれは一瞬のことで、次の瞬間には、いつもの朝陽くんに戻っていた。 「じゃあ、みく、遅いからもう帰ろう。送っていくから、用意して。 そうそうプリンありがとね。後からゆっくりいただくね」 朝陽くんはゆっくりと立ち上がった。 でも送ってもらうとか、風邪の朝陽くんにはさせられない。 だからあたしは、手を横に振って断った。