急に医学部に行く宣言をした朝陽くんは、本当に本気になったようで、期末テストは中間テストから350位くらい一気に順位をあげた。 「朝陽がベスト10入りとか、槍が降るんじゃね?」 と中ノ瀬先輩が心配したように空を見るありさまだった。 あのときのあたしの言葉のどこに、『決めた。みくがお嫁さんになりたいなら、俺は医学部を本気で目指す』なんて、 朝陽くんにそんなことを決意させるものがあったんだろう? 不思議で不思議でたまらないのだけど、先輩はそれから本当にたくさん勉強をするようになった。