「朝陽くんって、ロマンチストなんですね」


その発想に驚いて、口元に手を当ててしまう。


「そうそう、ロマンチストなんだ、俺。というわけで、みくちゃんのネクタイ、ほどいていい?」


屋上のベンチで、朝陽くんはあたしのネクタイに手を伸ばした。


今日はとってもいいお天気なのに、屋上でランチをする生徒はあんまりいない。


向こうのベンチは遠すぎて、なにをしているのかわからない。