「ごめんね、三浦くん。あたしを好きになってくれたのに」


「大丈夫。僕、後悔してないから。


みくちゃんを好きになったことも、昨日の球技大会でやったことも。


全然後悔なんかしてないから。僕のことは気にせず、小嶋先輩と幸せになって」


三浦くんは、メガネの奥の目をキレイに細めて、あたしに向かってにっこりと笑ってくれた。


「好きな子のキューピッドになれたのも、案外悪くなかったよ」


そんな言葉を口にして、先に屋上から出て行った。