ちょっと体温が上がるのを感じながら先輩に挨拶をする。


「おはようございます、先輩」


「あ、今日は吊革があいてないし、みくちゃんちっちゃいからね。俺の制服につかまってていいよ」


「そ、そんな……、大丈夫です。吊革なくても大丈夫ですから」


そう言ったとたん、電車がグラッと揺れた。


「おっと、危ない」


先輩があたしの背中を手で支えてくれた。