「いいなぁ、あんなカッコいい先輩に、『みくちゃんが好きなのは、そこにいる男? それとも、俺?』なんて言われちゃって」 「ほんと、私も言われたい!」 応援席の女子が口々にあたしに話しかける。 「ねぇ、みくちゃん。どっちがいっぱいシュートを決めると思う?」 「それは……」 サッカー部の三浦くんだったらどうしよう。 とっさにそう思った。