「みーくちゃん、みくちゃん」


放課後、その声にドアの方を向くと、朝陽くんがあたしに向かって手を振っていた。


「あ、朝陽くんっ」


あまりにうれしくて、ついつい、犬がしっぽを振るようにすぐに駆け寄ってしまった。


そんなあたしを追いかけるように、ちょっと機嫌の悪い茉由ちゃんの声が聞こえた。


「バイバイ、みく」