その裏で 「やっぱりあの夫婦はね」 「あんな仕事してちゃあね」 と言われていたことも知っていた。 父は風俗店を経営。 母はホステス。 夜に生きる二人の間に産まれた私達は、幼い頃から【そういう目】で見られてきたんだ。 通夜も告別式もひっそりと行われた。 私は陸の手を握り、同情や軽蔑や哀れみの目に晒されるのをただじっと我慢した。 生き地獄ってこういうことを言うのかもしれないな・・・なんて思いながら。