「運転手さん、急いでもらえますか?」

時計は午後1時を回ろうとしていた、

今日を逃したら、また1年待たなきゃいけない。

離婚調停の結果、
意外にも主人はあっさりと離婚届に判を押した。
弁護士を通して、それが私の元に届いたのが昨日、

七夕の約束にギリギリ間に合うと思った私は、
離婚届を手に朝から区役所に赴いたけど、予想以上に混んでいて時間が掛かってしまった。

「急ぐも何もこの渋滞じゃあね、、
あと1キロぐらいだから、お客さん歩いた方が速いよ」

「わかりました、降ります!」


たった1キロでも、六十をまわった年寄りには歩くのは辛い。

圭くん、今行くからお願いもう少し待ってて、、