息子の智也は、あの約束から4年後に社内恋愛の末、結婚して独立した。

そのタイミングで、私の方から一度離婚を切り出したけれど、主人はそれを笑って聞き流した。

円満な夫婦なら、夫の単身赴任先で一緒に暮らすのが普通だと思う。でも主人は"近所の仲良しさんと別れるのは寂しいだろう"というお門違いな理屈を付けて現状維持を図ったのだ、私が一緒に暮らせば何か不都合なのだろう。

どうせ私は邪魔者ですから、、


主人に対して全く愛情が無くなった訳では無いけれど、
彼と再会してしまった今では、間違いなく彼を愛している。

いや、、ずっと彼を愛していた事を思い出してしまった、学生時代の感情そのままに今でも傍に居たい、愛されたいと願っていた。
私が大好きだった人、恋の終わりを確信した時のやり場のない悲しみや苦しみは、思い起こせば今でも胸を締め付ける。
そんな恋しい人と再会できたのだ、もう誰にも止められない、、


どんなにそう強がっても、
やっぱり一人暮らしの夜は寂しい。

圭くんも、一人で寂しくないのかな、、、

時の流れを速く感じ始めていた、解決の糸口さえ見えないまま怠惰に過ぎていく。


一年後、
その知らせは突然だった、

主人が、不倫相手の夫から訴えられたのだ。

私は、弁護士を立てて離婚調停に乗り出した。