「問題はそこじゃないんだよね、本の内容だよ。
 美幸の名前が出てるよ」

「私の? どういう事?」

「説明すると長くなるから自分で読んだ方が早いよ、送ってあげるから読んでみて」

いったい、どんな内容なんだろう、気になって何も手に付かなくなってしまった。

SFやファンタジーに私が出てる? お姫様役かな、
ははっ、そんなばかな事ないよね。


3日後、旧友から送られてきた本を夢中になって読んだ、

まるで本を読んだ後の私を見て書いたかのように、
本の内容と今の状況が一致している。

今の、涙に暮れている私のことも、、

圭くんの事が頭から離れなくなっていた、

私を探してる?
それとも私が本を読めば、貴方の想いは成就できるの?

どうしようか、電話したい気持ちが強い。

でも、奥さんが出たらどうしようとか、"別に探してないよ"って言われるとか考えちゃうよね。


圭くん知ってるでしょ、私臆病なんだから。


丸一日悩んで、結局電話してみることに決めた。