制服姿の短い髪の女の子が

"さよなら"を言いながら去って行く


その後ろ姿に向かって、必死に呼び止める僕がいる


どんなに一生懸命追いかけても
二人の距離は縮まらない

離れて行くばかりだ


彼女を見失う前に

僕の前から消え去ってしまう前に
気づいて欲しくて

大声で叫んだ


僕の声は届かないのか、、

彼女は振り向いてくれない


名前を呼ぼうとして気づいた

彼女は、何という名前だったか、、、

『もう、私の事は忘れちゃった?』

何処からともなく、
僕に語りかける声が聞こえた


古い記憶の片隅に置きっぱなしにした、
彼女の名前を思い出すことができなかった