あなたに好きと言えるまで


彼が日誌を書く間の沈黙が息苦しくて、耐えきれずに彼に気になる事を聞いてみた、

「君嶋くんは、女の子が苦手なの?」

字を書く手を止めて振り返る彼は、不思議そうな顔をして首を傾げた、

「どうしてそう思うの?」
「あまり女の子と話してるところを見かけないから」
「まぁ得意ではないかな、、なんかさ、気恥ずかしいんだよね」

そうか、、やっぱりシャイボーイなんだ、
だから人の顔もマジマジ見ないし、視線もあまり合わせようとしない、
人の顔を覚えるのが苦手なのもそのせいかもしれない。

「でも、私とは普通に話せるじゃない」
「白河さんは、僕の方を向いていてくれるから」
「どういう意味? 」
「僕に無関心じゃないでしょ」

なっ、なんだって!
彼の言葉に顔が火照るのを感じた、、

私のまだ芽生えたばかりの小さな恋心を彼は気づいているのだろうか、
いや、そんな筈はないでしょ、、
好意を持つ相手に言うべきではない台詞が、秘めた気持ちを言い当てられた悔しさから刺々しく言葉として表れた、

「それは、、私が君嶋くんに気があるって言いたいの!」

彼は目を閉じ、口元を緩めて首を振ると、
「そうじゃないよ、白河さんは気さくに話しかけてくれるでしょ、だから僕も普通に話せるんだ、自分から女の子に話しかけるキッカケが僕にはわからないから」

なんだ違うのか、本当にシャイなんだ、モテそうなのに損してる感じ、、
そんな言い方をされると、もっと話しかけたくなるじゃない。