あなたに好きと言えるまで


その当番の日、気まずい雰囲気の中、顔を合わせるなり彼が先に謝罪の言葉を口にした。
「白河さん、この前は本当にごめん、悪気はなかったんだ」
「説明できる理由があるなら言ってよ、聞くだけは聞くから!」

悔しさが先にきて自分の態度を反省していても、彼の顔を見た途端また感情が込み上げてしまう、

「あの日、彼女が新しい彼氏と流星を一緒に観に行く話を偶然聞いてしまったんだ、、だから僕には同じ夜空を見上げる勇気がなくなってしまった」

その日同じクラスの女の子が双子座流星群の話をしていて、その話の流れからその子と仲のいい河崎さんも彼氏と見に行くと言う情報を偶然耳にしたと言う。

それを聞いた私の頬をまたしても涙が伝う、彼の前では二度と見せないと誓った涙だけど、いつまでも彼女の事が忘れられない彼に、私は我慢の限界を迎えていたのかもしれない。

「もういい加減に彼女の事は忘れなよ!」

泣き顔で吐き捨てるように言った言葉が、また彼を酷く傷つけていた。

彼が一番嫌いな女の子の涙に加えて、彼女でもない私からの言われもない叱責、彼の辛さはわかっていたつもりだったのに、それでも言わずにはいられなかった自分が、本当の自分ではないような気がしていた。今までだったら内気で臆病な私が絶対に口にしない言葉だから。いつまでも経っても前を見ようとしない彼に苛立ちが隠せなかったのだ。


「美智子、もうダメかもしれない、、」
「君嶋くん? 気持ちが冷めたの?」

好きな気持ちは変わらない、愛情が冷めたわけでもない、でも彼女を忘れられない彼に焦りを感じ始めていた。年が開ければ来年は受験が待っている。恋愛に夢中になっている場合じゃなくなる。

「大好きだけど、もう諦めようかなって」

彼女に私の揺れる感情を否定して欲しくて、私は敢えて諦めの言葉を口にした。

「美幸は、、本当にそれでいいの?」

彼女は思慮深い、私の上辺だけの言葉などお見通しだ、