私だって、いつまでも負けてられない、
「ねぇ君嶋くん、今度の星空観察会は参加しないの?」
「観察会? 今まで一度も参加したことないよ」
知ってるよ、私はずっと参加してるし、いつも貴方の姿はなくて私は寂しい思いをしているんだから。恋人同士じゃなくてもいいから同じ場所で同じ星空を貴方と観たい、それが今の私のささやかな夢なんだ。
「今度は一緒に観ようよ、たまには私のお願いも聞いてくれてもいいでしょ」
あまり積極的になると私の気持ちを悟られるかもしれない、そう思いつつもフリーになった彼に私が遠慮することなど何もないはずだ。
「、、そうだね、白河さんがそう言うなら一度参加してみようかな」
「ほんとに!」
、、、飛び上がりそうになるぐらい嬉しかった。
「今度の土曜日だよ、その前後に双子座流星群が極大を迎えるからチャンスなんだ、皆んな楽しみにしてるよ、君嶋くん約束だからね」
後は天気次第だ、冬の空気は夏場に比べて澄んではいても此の季節は曇り空が多い、明らかに天気が悪ければ観察会は中止になってしまう。
その日私は家に帰ってから、小学生以来のてるてる坊主を作って窓際に吊るした。他の日は全部雨でもいいから、お願いその日だけは晴れますように。
その日は朝から雲が多く雨は降らないまでも、中々途切れそうもない曇の流れに私の願いは脆くも崩れそうになっていた。予報は曇り時々晴れ、確率は半々だった。後は顧問の先生と部長の決断次第。一応防寒の準備はしてくるようにという指示通り私は厚めに着込んで学校に向かった。その日の授業が長く感じたのは、楽しみな時間がその後に待ち構えていたから。昼休みに部長からGOのメッセージがもたらされた時は、家に帰ったらてるてる坊主に感謝し切れない程のお礼をしようと決めた。放課後暮れかかる屋上に部員達が集まり始めた。冬至を過ぎた此の時期の日没は早く、じきに日も落ちる。流星群のピークは日付が変わるぐらいだけど、そこまで学生が学校にいられるわけもなく、観察会の終了時刻は20時半と決まっていた。屋上には所属する部員の3分の2程度、約15人程が集まって各々持ち寄ったマットなどを並べて観測の準備をしていた。



