よく我慢したね美幸、もう泣いて良いから、、
心の声が私を許してくれた、堰を切って流れる涙、
涙で霞んだ足元を不安にも感じず、夢中で階段を転げるように駆け降りた、
その先に彼女の姿を見つけて、わずかに残っていた我慢の糸が切れた、
「どしたー、美幸! なに泣いてんの」
「美智子ーー、、」
階段の踊り場で偶然出会した美智子に、私は抱きついて大泣きした、
泣きながら彼女に抑えきれない感情をぶつけていた、
「美智子、、私じゃダメみたいっ! 河崎さんじゃないと彼の笑顔は取り戻せないよ、、くやしい、悔しいけど、私は彼に何もしてあげられなかった‼︎」
「美幸、、」
「河崎さんよりも、もっと貴方の事が好きな女の子が此処にいるよって、、あんな人早く忘れて私と付き合おうよって、、、本当は言いたかったのに、、彼の反応が怖くて言えなかったっ!」
「そうか、でもそれでよかったよ、慌てなくていいから、君嶋くんが落ち着いたら告白しよ、私がついてるから大丈夫だよ、ねっ」
彼女の言葉が母親のように優しくて、どうにも涙が止まらなくなった、、
「彼のあんな哀しい顔は見たくなかった‼︎ 私だったら絶対に彼を悲しませないよ! そうでしょ美智子‼︎」
「うん、そうだね、美幸は君嶋くんが大好きだもんね」
「好き、、なんでこんなに好きなんだろう、、初めてなんだよ、こんなに人を好きになったのは、心も身体も全部彼のものになりたい、ずっと、君嶋くんの横で笑っていたい、同じ空気を吸って、同じ景色を見て、、彼とずっと一緒に歩いて行きたい!」
「わかったから、私も応援するから、だから、もう泣くな!」
美智子は私が泣き止むまで、優しく抱きしめていてくれた。
2ヶ月後、川崎さんに新しい彼氏ができたと噂で聞いた。
君嶋くんが友達でもいいからと縋るように川崎さんに願い出たことも、
本人がリークしなければ流れない噂、君嶋くんが今でも失恋の傷を引きずっているというのに信じられなかった、私がこんなに人を憎んだ事も初めてだった。



