あなたに好きと言えるまで


天文部のお昼の当番は一年生が主体で、二年生は2週間に一度程度。
クラスも離れてしまった彼とは、その当番の日に会うぐらいで普段は顔もなかなか合わせる事がなくなった。

彼が付き合い始めて最初の当番の日のこと

「君嶋くんは、河崎さんを知ってたの?」
「知らないよ、矢代くんに紹介されて告白された時に初めて顔を合わせたんだから」
「それなのに、交際をOKしたの? 彼女が可愛いかったから?」

久しぶりに顔を合わせたというのに、私は何を聞いてるんだろう。未練を捨てきれず手の届かない彼に嫌味の一つでも言ってやりたい、そんな気持ちが優先して嫌な女になっていた。

「付き合ってみないとわからないって、白河さんが言ったんだよね」

「でも君嶋くんは、そんな子は興味ないって言わなかった?」

「違うよ、興味がないのは僕を好きになってくれるかもわからない子だから、彼女は僕が好きだと言ってくれた、僕はそれで十分だよ」


そういうことか、、やっとわかった
彼は自分の気持ちより相手の女の子の気持ちが優先するんだ、

他の人とは優先順位が違う、彼にとっての第一条件は自分が惚れた子じゃない、自分に好意を寄せてくれる子、女の子に告白されて初めて彼は興味を示すんだ、、
そうか、、もっと早くに気づいていれば、私だって告白する勇気が持てたかもしれない、

だけど、もう、、遅い、

「ねぇ君嶋くん、、」
言いかけて、言葉が続かない、

河崎さんより前に私が告白していたら、貴方はOKしてくれた、、
そう聞きたくても今更聞けるわけもない。

「ん? なに」

「何でもない、、幸せにね」
口から出た心とは裏腹の言葉に、私は泣きたくなった、、