年が明けて三学期、一年生も残り僅かとなった二月の下旬、彼との距離が少しずつ近くなっていて幸せ感に満たされていた私には、まさに青天の霹靂だった。
お昼休みにトイレに立った時、
仲のいいクラスメートが女子トイレの中で噂話をしていた、
「彼は優しいから上手くいくんじゃない、なかなかお似合いのカップルだよね」
女の子のこういう噂話は毎日のように繰り返されていた、誰と誰がくっついただの、別れただのと話題には事欠かない。
またかと思いながらも、私も好奇心には逆らえずついつい聞いてしまう。
「誰の話なの?」
「君嶋くんだよ、美幸は部活でいつも一緒なのに彼から何も聞いてなかったの?」
「君嶋くん?」
「うん、君嶋くんに8組の河崎さんが告白したんだって」
えっ、嘘だ!
「それで彼は、、なんて返事したの?」
「OKだったみたいよ、まあ彼女可愛いから断る理由がないよね、だからお似合いのカップルだねって話してたの」
君嶋くんに彼女ができた、、信じたくない。
「美幸もお似合いだと思うでしょ」
「う、うん、でも私は相手の女の子を知らないから、、何とも言えないよ」
突然の事に目の前が真っ暗になった、、
好きな気持ちを伝えられぬまま、彼は違う子の彼氏になってしまった。
それからの日々、彼の笑顔を見る度に、その笑顔の元が彼女だと思うと私はやり切れない気持ちになった。