三重県の伊勢志摩をめぐりその先の賢島まで行って、そこからフェリーで渥美半島に渡った、、渥美半島を横断し浜名湖を経由して国道1号線をひたすら名古屋まで2泊3日の旅。中学生の僕らにとっては日本一周をしたぐらいの冒険だったんだ、あの冒険で僕らが得たものは沢山あるけど、一番感じたのが、僕らの存在がいかに小さなものかって事だった。
僕らは名古屋という大都市に住んでいるけど、名古屋も愛知県の一部にすぎないし、その愛知県だって日本にある47都道府県の一つでしょ、そんな小さな名古屋にも200万人以上の人が住んでいるんだよ、僕も白河さんもその中の1人。
ねっ、ちっぽけでしょ」
確かにそうだけど、、それがなんなの、、
「そんなちっぽけな人間が流す涙など、取るに足らない物のように思えるよね、でも涙は時として感動や同情を呼び多くの人々の心を打つ時がある。たった一滴の涙が多くの人達の感情を揺さぶるとき、その一滴は他の何よりも重たいと思わない?」
そんな話をされても、私にはわからないよ、、
「それと同じように、僕にとっては女の子が流す涙ほど重たいものはないんだ、それは君の涙も同じだから、お願いだからもう泣かないで、」
そう、彼にとっては関係が如何であれ女の子が流す涙は自分が受けとめてあげたい、そんな衝動に駆られるみたいだった、
私の、、涙も、、、
彼にとっては重たいってことなのだろう、
彼のその言葉が嬉しくて、いつの間にか私の涙は幸せ色に変わっていた。彼の言葉が私を悲しみの淵から救い出してくれたのだ。
「うん、ごめんね、止まらないの。でもこれはもう嬉し涙だから許して、、」
「それならいいけど」
彼はそう言いながら優しい微笑みを私に向けてくれた。



