その日以降、彼との間に微妙な距離感が生まれてしまう、彼自身は変わっていないけど、私から話しかけるのを遠慮して躊躇う場面が増えていた。天文部の当番でも最低限の必要な会話だけで沈黙が殆どを支配していた、気のせいか狭いドームのたった数センチばかりの事だけど二人の距離も遠くなった気がする。
彼は、それをどう思い、何を感じているのだろう、
自分に素直になって、勇気を出して気持ちを伝えていれば、ここまで感情が拗れる事はなかった。
取り戻せない時を悔やんでも仕方がないけど、あの時に彼に好きと言えなかった自分の弱さが許せなくて、また涙が溢れてしまう、
ただ彼が好きだからという、それだけの理由で流れる涙、そんな涙の理由を彼に話せるわけもない。
彼はきっと気づいている、
気づかないフリをしているのは私に感心がないわけじゃなくて、それが彼の優しさであることも私は知っている。
私は止められなかった涙を悔やんだ。
もう終わりだ、、今度こそ嫌われてしまう。
泣き虫だけならいざ知らず、その涙の理由も分からないんじゃ話にならない。
どうせ嫌われるなら、いっそ告白して振られた方が楽になれるかもしれない、、、
そう決めて、私は泣き顔を隠しもせず彼の名前を呼んだ、
「君嶋くん、、」
「白河さん!」
彼は私のそんな気持ちを読んでいたのか、私が口を開いた絶妙なタイミングで言葉を遮った。
「中学三年の時に、友達と4人で自転車の旅に出たんだ」
突然語り始めた思い出ばなし、その話の落とし所が私にはさっぱり分からない、何故今そんな話をするのだろうか。



