あなたに好きと言えるまで


名古屋の夜空は綺麗とは言えない、それより以前に人工の灯りが多すぎてとても星を愛でる環境ではないし、高い建物に視界が遮られて満天どころか真上しか見る事ができない。
私の部屋の窓からは星を探すのも一苦労だった。

そんな事を考えているうちに、
机に突っ伏して、ついウトウトしてしまった、

まどろみ、夢想してしまう、


『ほら、手を貸して、』

やだ、嬉しいけど急に手を出されても恥ずかしいよ、
それでも、彼と手を繋ぎたい気持ちが抑えきれない、

差し出された彼の手に掴まると、勢いよく引き寄せられ身体が触れ合う程の距離まで近づいてしまう。少しの間を置いてそのまま抱きしめられた。
その強引さに、たじろぐ私、

君嶋くん?

『僕の顔を見て、』

えっ、、

『目を閉じて、』

なに? 

疑問に思っても彼の言葉に逆らえない、

言われるがまま目を閉じると、彼の手がこめかみに添えられ、、唇が触れる

あっ、と心の悲鳴が洩れたとき、、


「美幸ー、ご飯だよー」

、、、だよね、、
あーーもういい所だったのに、お母さんのバカ。