遊びと自己嫌悪を繰り返していく中で、
この生活を辞めたいと思うことが多々あった。


思うだけで、行動する勇気と覚悟はなかったのだけれど。


そんな私は、19歳の秋に変わるきっかけをくれた人と出逢った。


スマホの中身を整理していてふと目に止まったのは、初恋の人と出会ったアプリ。


あの頃はアプリが目に付く度思い出していしまうのが嫌で嫌で、普段見ない場所に追いやったんだ。


消せばいいものを、未練というか思い出というかで決別ができなかった。


そうではなくなった今こそ、アンインストールするべきなのだろうか。


しばらく画面と見つめあっていた。


いや、やっぱり…。


もう一度誰かと会ってみよう。


今回で、最後にしよう。


最後に次の人と会って、そしたら消そう。


彼との思い出に、上書きして終わりたかった。


思い出が辛いものでなくなるように。