カラダダケの関係に依存していた私の話

一瞬だけ脳裏に浮かんだNの顔をかき消した。


別に言う必要ないよね。


私たちの会話に真実なんていらないんだから。


「全然だよ」


「俺もだわ。
もし連絡とったとしてもこの事は内緒な」


「あたりまえ。
私たちの間でも無かったことにしよ」


どうせもう会わないんだし。


彼は卒業と練習。


私は寂しさを紛らわせるための一夜限り。


お互い目的を達成したんだから、きっともう会わない。


その方がいい。






寮まで送って貰って1人になった時、いつもの癖でNのスマホに電話をかけようとした。


そうして……少し迷った。


Nの知り合いとは今回が初めてだ。