テレビを見ていても
"こんな顔でテレビに出て恥ずかしくないんか"


運転をしていても
"あいつ下手くそだな。免許返納しろ"


外食をしていても
"これ安い食材ばっか使ってんな"


そうして多方面の物事を蔑んでは、自分はなんでも知っている、自分の方が偉い。


そう見せつけているように私の目には映った。


父から悪口を聞かない日は、一日たりともなかった。


感受性が豊かな私は、それら全てを自分に向けられているかのように受け止めてしまっていた。


母や姉のように、受け流す力が身についていなかった。


また今日も、私の心がえぐれていく。


限界だった。


私の心の内に気づいて欲しかった。


でも、誰も気づいてくれる訳がないんだ。


不器用で本当の気持ちをさらけ出せない父同様、私もそれなのだから。






ではなぜ過去を語る上で父の存在が欠かせないのか。