ここで1つ、私の初恋の話でもしてみようか。


周りから見える私は、恋多き女だったのかもしれない。


しかし、蓋を開けてみれば本気で好きになった人はいなかった。


それは私とNだけが知っていること。


好きな人が欲しいと常々思ってはいたが、本気になって傷付きたくない自分がいたのも事実だった。





そんな私の初恋は高校卒業したての18歳の春。


彼は、友達と一緒にノリで始めたアプリで最初にメッセージをくれた人だった。


食事に誘う彼の言葉に邪心を感じたが、アプリで会う人なんて所詮そんなものだろう。


別に嫌でも無い。


"今コンビニの前に立ってるのそう?"


"多分そう"


返信をすると近くで車のドアを閉める音がした。


そうして少しぎこちなさそうに笑った彼に衝撃を受けた。


目はくりくりで鼻も高くて髪型だって今どき。