別に父親からの愛を感じられなくてもいい。


傍にいるのは家族じゃなくたって、友達じゃなくたって、大切な人じゃなくたっていい。


私の心を満たしてくれる人が、こんなにも沢山いるのだから。


満たされる度、穢れていく。


どうしようもなく最低で、どうしようもなく汚い。


そんな思考を繰り返してばかりいた。


深夜に満たされ、夕暮れに自分を咎め、また深夜に満たされる。


両極端な思考を抱え続けた私の精神は、だんだんと不安定になっていった。


その不安定を埋めるように、また…。


原因は分かっているのにやめられない。


やめようとも思えない。


まるで薬物のようだった。


そんな穢れた私を、Nにだけは事細かに伝えていた。


それでも彼は優しい。


「自分を大切にして」