「な…何で、分かるんですか?」
ユリナはびっくりしたように、ナジュに尋ねた。
まさか「あなたの心を読んだからです」とは言えず。
「簡単な推測ですよ。あなたのクラスは、先程まで回復魔法の実技を…天音先生の実技授業があったと記憶しています。直近の授業で何かあったと考えるのが妥当でしょう?」
「う…うぅ…」
「やっぱり、天音先生に何か言われたんですね?」
ユリナの目に、ぶわっ、と涙の粒が浮かんだ。
あーあ…。ナジュが泣かせた。
「わ、私…か、回復魔法…上手く、使えなくて…」
しゃくり上げながら、ユリナは何があったのかを話し始めた。
「そうしたら…ひっく。こ、こんな…下手くそな生徒は見たことないって。さ、才能ないから、魔導師になるのはやめろって…」
…なんという酷いことを。
そりゃ泣くわ。まだ一年生で、実技授業にも慣れていないのに。
皆の前で先生にそんなこと言われたら、大抵の生徒は心が折れるだろう。
多分、俺でもへこむ。
回復魔法は、比較的扱いやすい魔法ではあるものの、だからって誰でも使える魔法という訳ではない。
どんな魔法でも、人によって得手不得手はあるし。
かく言う俺だって、回復魔法は苦手だしな。
ましてや、まだ学院に入学して間もない一年生ともなれば、苦手があるのは当然のこと。
三年生くらいになって、ようやく使えるようになりました、って生徒も珍しくない。
俺の担当している時魔法なんか特に。超高度な時魔法担当だから、出来ない生徒なんかいくらでもいる。
それは生徒の努力不足ではなく、どちらかと言うと、本人が生来持っている適性によるものだ。
令月だって、力魔法だけしか使えないという、非常に稀な魔導適性をしてるだろう?
これはかなり極端だが、そういう例もあるのだ。
特定の魔法が使えないからって、それで生徒が責められる謂れはない。
ましてや、生徒を教え導くべき教師が、生徒の可能性を潰すようなことを言うなど言語道断だ。
普段の天音なら、絶対にそんなことは言わない。
つまり、考えられる可能性は一つ。
俺もシルナもナジュも、互いに顔を見合わせた。
…間違いない。
天音のドッペルゲンガーが、校舎内を彷徨いているのだ。
まるで天音みたいな顔をして、天音のフリをして好き勝手やっているのだ。
それ以外有り得ない。
すぐさまドッペルゲンガー天音を探し出し、止めなければならない。
しかし今は、その前に。
目の前の、傷心のユリナを慰めるのが先だ。
ユリナはびっくりしたように、ナジュに尋ねた。
まさか「あなたの心を読んだからです」とは言えず。
「簡単な推測ですよ。あなたのクラスは、先程まで回復魔法の実技を…天音先生の実技授業があったと記憶しています。直近の授業で何かあったと考えるのが妥当でしょう?」
「う…うぅ…」
「やっぱり、天音先生に何か言われたんですね?」
ユリナの目に、ぶわっ、と涙の粒が浮かんだ。
あーあ…。ナジュが泣かせた。
「わ、私…か、回復魔法…上手く、使えなくて…」
しゃくり上げながら、ユリナは何があったのかを話し始めた。
「そうしたら…ひっく。こ、こんな…下手くそな生徒は見たことないって。さ、才能ないから、魔導師になるのはやめろって…」
…なんという酷いことを。
そりゃ泣くわ。まだ一年生で、実技授業にも慣れていないのに。
皆の前で先生にそんなこと言われたら、大抵の生徒は心が折れるだろう。
多分、俺でもへこむ。
回復魔法は、比較的扱いやすい魔法ではあるものの、だからって誰でも使える魔法という訳ではない。
どんな魔法でも、人によって得手不得手はあるし。
かく言う俺だって、回復魔法は苦手だしな。
ましてや、まだ学院に入学して間もない一年生ともなれば、苦手があるのは当然のこと。
三年生くらいになって、ようやく使えるようになりました、って生徒も珍しくない。
俺の担当している時魔法なんか特に。超高度な時魔法担当だから、出来ない生徒なんかいくらでもいる。
それは生徒の努力不足ではなく、どちらかと言うと、本人が生来持っている適性によるものだ。
令月だって、力魔法だけしか使えないという、非常に稀な魔導適性をしてるだろう?
これはかなり極端だが、そういう例もあるのだ。
特定の魔法が使えないからって、それで生徒が責められる謂れはない。
ましてや、生徒を教え導くべき教師が、生徒の可能性を潰すようなことを言うなど言語道断だ。
普段の天音なら、絶対にそんなことは言わない。
つまり、考えられる可能性は一つ。
俺もシルナもナジュも、互いに顔を見合わせた。
…間違いない。
天音のドッペルゲンガーが、校舎内を彷徨いているのだ。
まるで天音みたいな顔をして、天音のフリをして好き勝手やっているのだ。
それ以外有り得ない。
すぐさまドッペルゲンガー天音を探し出し、止めなければならない。
しかし今は、その前に。
目の前の、傷心のユリナを慰めるのが先だ。


