神殺しのクロノスタシスⅤ〜前編〜

ベリクリーデを起こし、自分の部屋に戻して着替えさせ。

身支度を整えて、部屋を出たときには…会議が始まる10分前に迫っていた。

本当に危ねぇよ。ギリギリじゃないか。 

滑り込みで、会議室に到着。

「ふぅ…間に合った…」

「お。イチャイチャカップルだ」

「ぶはっ!」

会議室に着くなり、先に来ていたキュレムが。

俺とベリクリーデを見て、第一声でそう言った。

何言ってんの?お前。頭大丈夫?

「キュレム、お前何馬鹿なことを言ってるんだ…!?」
 
「あ?だって事実だろ…。…なぁ?ルイーシュ」

「えぇ。ここ最近、お二人が同衾していると噂になってますよ」

誰だ、その噂を流したのは。

エリュティアか?それとも俺の部下か?

「朝までイチャイチャしてて、二人共寝不足だとか…。どうかと思いますけどねぇ。いや、『する』のは自由ですけども、翌日に支障が出るくらい激しいのは…」

「まーいーじゃん。ジュリスもアレだよ、欲求不満なんだよ、多分」

「そうですか」

おいやめろ。勝手に何言ってんだ、お前達。

誰が欲求不満だって?

「ベリクリーデ!お前も黙ってないで、本当のことを…」

「…??昨日はジュリスと一緒の部屋で寝たんだよ」

そうだけど。

それは確かに本当のことだけど。

でも、そうじゃないだろ。

「凄く楽しい…幸せな夜だったよ。これまでずっと溜め込んでたものを、解放したって言うか…」

「うわぁ…」

「ケダモノですね」

誤解。誤解が生まれてる。

あとキュレム。ドン引きするな!

「ありのままの自分を見せるの、怖かったんだけど…。でもジュリスが優しくしてくれたから、大丈夫だったよ」

「…おい、聞いたかルイーシュ」

「発情期ですね」

はぁぁぁぁぁ!?

違う、馬鹿。いや合ってるけど。合ってるけど…そうじゃない。

発情期ではねぇよ。

「あのな、お前ら。それは酷い誤解だ、誤解。俺は何も疚しいことなんて…!」

「分かってるよ。結婚式までしたんだから、別に疚しくはねぇだろ?」

そういう意味ではない。

結婚したんだから「そういうこと」をしてもOKだろとか、そういう意味ではない。

「でも、毎日朝までってのはなぁ、どうかと思うぜ。なぁルイーシュ」

「仕方ありませんよ。まだ新婚ですからね」

「やれやれ。仲良しなこって。こりゃおめでたも近いな」

遠いわ。

勝手なことばっか言ってんじゃねぇそ、お前ら。
 
あと、それは大きな誤解だから。

ろくでもない噂を流すんじゃねぇ。

「あのなぁ、お前ら…!」

…と、キュレムとルイーシュに弁解しようとした、そのとき。

「…あら」

聖魔騎士団魔導部隊隊長のシュニィが、会議室にやって来た。