ベリクリーデは、いかにも言いにくそうに。
ぐるぐると視線を彷徨わせながら、ポツポツと悩み事を口にした。
「他の人はね、他の人に気持ち悪いと思われるのは…別に、良いんだよ。良くはないけど…。でも、我慢出来る」
「…」
「でも、ジュリスに気持ち悪がられたら、嫌なの。それは凄く…悲しいの」
「…」
「他の人は別に良い。何て思われても…。…でも、ジュリスだけは嫌。嫌われたくない…。気持ち悪いと思われたくないの」
「…」
「…でも、無理かな。これから私の中に、他にもたくさん別の私が生まれて…私が誰なのか分かんなくなっていって…」
…ベリクリーデの中に、別のベリクリーデが…。
ベリーシュの他にも、何人か生まれる可能性はあるな。
羽久のようにな。
「気持ち悪いって思うよね。近寄りたくないって思うよね。…そうしたら、私一人ぼっちになっちゃうなーと思って」
「…」
「私の中に他の私が増える度に、『私』が一人ぼっちになるの。…それって、凄く寂しいよね」
その孤独を、その恐怖を…体験しているベリクリーデだからこそ、分かる。
自分が、自分の知らない何者かになろうとしている。
それ故に生まれる、不安。
心許ないよな。落ち着かないよな…。自分が何者なのか、分からなくなるよな。
…だけど…。
「ジュリスに見捨てられたら、私…凄く寂しいよ」
「…」
成程ね。
じゃあ、そんなお前に一つプレゼントだ。
俺は手を伸ばして、ベリクリーデの額に指を当て。
ピコンッ、と弾いた。
「…ぴきゃっ」
痛かったか?
所謂、デコピンって奴だな。
「な…何でピンってするの…?」
額を押さえて、こちらを見上げるベリクリーデ。
あぁ、悪かったな。
「お前が、あまりにもアホなことを言うもんだから…ついな」
「あ、あほ…?」
「アホだろ?」
どう考えても。
全く、何を考えているのかと思えば。
そんな…しょうもないことを、眠れなくなるほどに考えていたとな。
やれやれ。
本当…世話の焼ける奴。
…こんな世話の焼ける奴を、放っておける訳ないだろ?
「一つ言っといてやる。ベリクリーデ…。お前の中に誰が生まれようが、何なら20人くらい増えようが…お前はお前だ。他の誰でもない」
そのことを忘れるな。
自分が何者なのかを、決して見失うな。
ぐるぐると視線を彷徨わせながら、ポツポツと悩み事を口にした。
「他の人はね、他の人に気持ち悪いと思われるのは…別に、良いんだよ。良くはないけど…。でも、我慢出来る」
「…」
「でも、ジュリスに気持ち悪がられたら、嫌なの。それは凄く…悲しいの」
「…」
「他の人は別に良い。何て思われても…。…でも、ジュリスだけは嫌。嫌われたくない…。気持ち悪いと思われたくないの」
「…」
「…でも、無理かな。これから私の中に、他にもたくさん別の私が生まれて…私が誰なのか分かんなくなっていって…」
…ベリクリーデの中に、別のベリクリーデが…。
ベリーシュの他にも、何人か生まれる可能性はあるな。
羽久のようにな。
「気持ち悪いって思うよね。近寄りたくないって思うよね。…そうしたら、私一人ぼっちになっちゃうなーと思って」
「…」
「私の中に他の私が増える度に、『私』が一人ぼっちになるの。…それって、凄く寂しいよね」
その孤独を、その恐怖を…体験しているベリクリーデだからこそ、分かる。
自分が、自分の知らない何者かになろうとしている。
それ故に生まれる、不安。
心許ないよな。落ち着かないよな…。自分が何者なのか、分からなくなるよな。
…だけど…。
「ジュリスに見捨てられたら、私…凄く寂しいよ」
「…」
成程ね。
じゃあ、そんなお前に一つプレゼントだ。
俺は手を伸ばして、ベリクリーデの額に指を当て。
ピコンッ、と弾いた。
「…ぴきゃっ」
痛かったか?
所謂、デコピンって奴だな。
「な…何でピンってするの…?」
額を押さえて、こちらを見上げるベリクリーデ。
あぁ、悪かったな。
「お前が、あまりにもアホなことを言うもんだから…ついな」
「あ、あほ…?」
「アホだろ?」
どう考えても。
全く、何を考えているのかと思えば。
そんな…しょうもないことを、眠れなくなるほどに考えていたとな。
やれやれ。
本当…世話の焼ける奴。
…こんな世話の焼ける奴を、放っておける訳ないだろ?
「一つ言っといてやる。ベリクリーデ…。お前の中に誰が生まれようが、何なら20人くらい増えようが…お前はお前だ。他の誰でもない」
そのことを忘れるな。
自分が何者なのかを、決して見失うな。


