神殺しのクロノスタシスⅤ〜前編〜

そこで、俺は再び、ベリクリーデの部屋に移動。

「どうやったら眠れるの?」

「ちょっと待てよ。今、準備を…」

俺は、持参したラジカセを、ベリクリーデのベッドサイドにセットした。

飲み物で駄目なら…今度は、音楽を活用しようと思う。

よくあるだろう?

リラックス出来る音楽、って奴だ。

音楽をかけるだけで、本当に効果があるのかは疑問だが…。

まぁ、これもホットミルクと同じだ。

やらないよりマシな、気休め程度。

でも、やらないよりはマシだからな。

試せることは、何でも試そう。

ラジカセのスイッチを押すと、ベリクリーデの部屋の中に、ゆったりとしたクラシック音楽が流れ始めた。

隣近所の迷惑にならないように、音は控えめにな。

「…これで眠れるの?」

「何かしら、効果はあると思うが…。…どうだ?眠くなってきたか?」

「よく分かんない。変な音楽」

歴史あるクラシック音楽を、変な音楽呼ばわり。

罰当たりな奴だよ。

「とりあえず、横になってみるね」
 
「あぁ、そうしろ」

「…zzz…」

「…」

寝とる。寝とるぞ。

お前、本当に不眠なんだよな…?

そろそろ疑いたくなってくるが、しかしベリクリーデは嘘をつかんし。

「…とりあえず、音は止めとくか…」

折角ラジカセ持ってきたのに、僅か一分足らずでお役御免。

はえーよ。

ともかく、無事にベリクリーデも寝たので。

さっさと退散して、俺も自分の部屋で寝るとしよう。