神殺しのクロノスタシスⅤ〜前編〜

しかし。

自分の部屋に帰った俺は、すぐには眠らず。

しばし起きたまま、書類仕事を片付けることにした。

一時間ほど、机に向かってボールペンを動かしていた。
 
…そのとき。

「…ジュリス〜」

「うわっ、何だよ?」

なっさけない声のベリクリーデが、目を擦りながら入ってきた。

お前、さっきまで寝てただろ。

何でまた起きて、しかもここを訪ねてきたんだ?

「どうしたんだ?」
 
「目が覚めて、眠れなくなっちゃった」

「…」

…一度入眠してしまえば、そのまま朝まで寝てるもんだと思ってたが。

途中で目が覚めてしまったか。そうか…。

…まぁ、そういうこともあるよな。

ホットミルク作戦、成功かと思いきや…失敗だったか。

入眠には成功したんだがな。

途中で起きてしまったんじゃ、意味がない。

どうやら、別の方法を試した方が良いようだな。

「…分かったよ。ちょっと…今度は別の方法を試してみよう」

「…?何をするの?」

「こんなこともあろうかと…色々用意してきたんだよ」

備えあれば憂いなし、ってな。

この際だ。やれることがあるなら、何でも試してみよう。