神殺しのクロノスタシスⅤ〜前編〜

ベリクリーデが不眠とは。

普段よく寝る奴だからこそ、それは心配だな。

「…何かあったのか?」

眠れなくなった…きっかけ、みたいなのは。

「…うーん…。何だろ?…私にもよく分かんないや」

と、ベリクリーデは言った。

…原因不明の不眠症…。

非常に心配。

「色々心配することがあるのかも」

「…お前にも、人並みに心配することなんてあったんだな」

「…」

「…あ、ごめん…」

ベリクリーデも悩みとかあるんだな。うん、まぁ、そうか。

人間だもんな。

誰しも、悩み事の一つや二つくらいはあるだろう。

しかし、そのせいで眠れなくなるのは心配だな。

「そうか…成程。…そうだな…」

「どうやったら、ぐっすり眠れるかな?」

なかなか難しい質問だよな。

「これをやれば眠れる」なんて確実な方法はないし。

一番手っ取り早いのは、病院を受信することなんだろうが…。

なかなかハードル高いよな。

眠れなくても、下手に動き回らず…布団の中で目を閉じているだけで良い、ってよく言われるが。

頭で分かっていても、なかなか出来ないよな。

眠ろう眠ろうと焦って、余計目が冴えてしまうだろうし。

それに、布団の中で朝まで起きたまま過ごす、っていうのは、非常に苦痛だ。

永遠に朝なんて来ないんじゃないか、と思うよな。

そりゃ、じっとしていられない気持ちは分かる。

「…よし」

分かったよ。

ベリクリーデの不眠が解決するよう、俺も一肌脱ぐとしよう。

ひいてはそれが、俺の安眠に繋がるからな。

毎晩毎晩、ベリクリーデに侵入されたんじゃ、堪らない。

試せることがあるなら、何でも試してみよう。