神殺しのクロノスタシスⅤ〜前編〜

翌日。

俺はベリクリーデと共に、魔導隊舎の正門近くで待ち構えていた。

案の定、ベリクリーデを騙したという詐欺師がやって来て。

魂のレベルが上がるブレスレット、とやらを押し売りしようとしてきた。

…が。

「ほう?こんなチャチなブレスレットで、何のレベルが上がるって?こんなもの、食玩のブレスレットじゃないか」 

「え、えぇと…」

うちのベリクリーデを騙してくれたお礼だ。

徹底的にやらせてもらうぞ。

「これに本当に効果があるのか、出るところに出て確かめてもらうか?なぁ。昨日のツボにも効果があるのか?あれって詐欺なんじゃねぇの?」

「そ、そんなことは…」

「ところで、ここ聖魔騎士団魔導部隊の隊舎なんだけど。知ってるか?外部のもんは立ち入り禁止なんだぜ。用があるなら、中で聞こうか?」

「…〜っ!!」

…詐欺師、撃沈。

これは旗色か悪いと判断したのか、もう同じ手は食わないと理解したのか。

「き、今日のところはこれで…ま、また日を改めます!」

「おぉ、そうか」

そのまま、もう二度と来てくれなくて良いぞ。

そそくさと逃げ帰る、詐欺師の背中を見送り。

願わくば、あの詐欺師が改心して…これ以上の被害が出ないことを祈るばかりだった。

…やれやれ。