神殺しのクロノスタシスⅤ〜前編〜

「当たれ!当たれ!」

「くそっ、何で止まらないんだ…!?」

「何なんだ、あのかまいたちみたいな攻撃は…!」

「弾が当たってるはずなのに、何で動けるんだよ!」

「あいつは化け物か…!?」

武器庫に向かう通路は、まさに阿鼻叫喚の様相を呈していた。

いやぁ、単独行動してて良かった。

武器庫に繋がる廊下は、『M.T.S社』の構成員がうじゃうじゃしていた。

待ち構えていたかのように、敵の一斉射撃を食らった。

ある程度は避けたのだが、途中で避けるのが面倒になって、何回か当たった。

当たったけど、当たった傍から治っていくので、実質ノーダメ。

済みません、僕化け物です。

鉛弾を撃ち出す鉄砲なんて、僕にとって脅威でも何でもない。

これがキュレムさんのような魔弾だったら、一発当たるだけで致命打なんだけど。

「はいはい、通してくださいねー」

「うわぁぁぁ!」

杖を振ると、風魔法で作った刃が、敵構成員をざくざくと切り裂いていった。

早い早い。

魔法の概念さえない世界で、一方的に魔法を使って、敵に「分からん殺し」を強いるなんて。

我ながら、卑怯なことをしているという自覚はあるが…。

まぁお互い様ですよ。僕もこの世界について、分からないことだらけなんだし。

さっさと済ませて、ルレイアさん達が戻ってくる前に、武器庫を制圧してしまおう。

彼らに魔法を見られては、言い訳するのが面倒ですから。

…すると。

「…ん?」

ふと目が合った、敵構成員の心の中を覗いたとき。

何やら、奇妙な情報を入手した。

『構わん、このまま進ませろ。武器庫で迎え撃つ』とのこと。

ほう。

どうやら、何やら企んでいるようですね。

そういう企みを、心の中で呟いたら駄目ですよ。

僕みたいな読心魔法使いにとっては、餌でしかないので。

武器庫で迎え撃つ、か…。それは楽しみですね。

一体何が待っているのやら。罠でも張って待ってるんだろうか?

じゃ、確かめに行きましょうか。

廊下の奥に、重厚な扉の部屋が見えた。

見るからに、これが武器庫だろうな。

鬼が出るか、蛇が出るか…死神が出るか。

ちょっとわくわくしながら、僕は先程のルレイアさんのように、武器庫の入り口を破壊した。