普段のこの人を知らないので、今日に限って何が変わったかなんて、分かるはずもない。
…これが普通の人なら、だけど。
生憎僕は、最初から普通じゃないんでね。
「勿論分かりますよ。口紅でしょう?」
「さすがルーチェス。大正解!」
答え、心に書いてありましたから。
読心魔法使いで助かった。
今日の彼…ルレイアさんは、口紅を新調したらしい。
何でも、何とかいうアイドルとのコラボ商品だとか…。
詳しいことは知らないが、とにかく化粧品を変えてみたらしい。
男でも化粧ってするんですね。
似合ってるから、文句の一つも言えない。
「ね、ルルシー。似合うでしょう?クラシックローズの色なんですよ」
「あ、そう…。俺には全然区別がつかないよ」
駄目な彼氏だ。
恋人が化粧品を変えたら、気づいてあげるのが男の器量というものだ。
しかし、ルレイアさんは少しも気を悪くした様子はなく。
「それって、俺がいつも格好良いってことですよね?嬉し〜っ!」
めちゃくちゃポジティブですね。
幸せそうで何より。
「…」
ルルシーさんは、じとーっ、とした目でルレイアさんを睨んでいた。
成程、そういう関係ですか。理解しました。
「…ところで、ルーチェス」
「はい?」
ルルシーさんが、くるりとこちらを振り向いた。
横でルレイアさんがすりすりもふもふしているのに、普通に話しかけてくるとは。
さすが、慣れてますね。
「今日は珍しく、ドアからノックして入ってきたじゃないか」
ぎくっ。
普段は何処から入ってきてるんですか?
忍者?
ルルシーさんの心の中を除くに、普段の僕は、とんでもないところから侵入しているらしい。
令月さんとすぐりさんみたいな感じですね。
そうと知っていれば、こっそり侵入したんだけど。
「ちょっと気分転換してみました」
「ふーん…」
怪しまれ…てはいないようだが。
怪訝には思われてるようだな。
「あっ、それとも…いつも通り、違うところから入ってきた方が良かったですか?寂しかったです?やり直しましょうか?」
「アホか、そんな訳ないだろ。やり直さんで良い」
それは残念。
「それに、今日は来るの遅かったな」
ぎくっ。
よく見てますね。仲良しか。
言い訳…いかにも「普段の僕」らしい言い訳を考えなくては。
…そうだな。
「実は昨日、朝までベッドで元気に羽目を外し、」
「あーはいはい分かった。聞いた俺が悪かったよ」
折角考えた言い訳なんだから、聞いてくださいよ。
こちらは、全然疑われていないようだ。
いかにも普段の僕ってことらしい。それはそれで悲しい。
いやぁ、僕は清純なキャラのはずなんですけどねー。
ルルシーさんの方は、それで完璧に騙せた。
…しかし。
「…っ」
この場にいる「もう一人」の心を覗いて、僕は思わず息が止まりそうになった。
…これが普通の人なら、だけど。
生憎僕は、最初から普通じゃないんでね。
「勿論分かりますよ。口紅でしょう?」
「さすがルーチェス。大正解!」
答え、心に書いてありましたから。
読心魔法使いで助かった。
今日の彼…ルレイアさんは、口紅を新調したらしい。
何でも、何とかいうアイドルとのコラボ商品だとか…。
詳しいことは知らないが、とにかく化粧品を変えてみたらしい。
男でも化粧ってするんですね。
似合ってるから、文句の一つも言えない。
「ね、ルルシー。似合うでしょう?クラシックローズの色なんですよ」
「あ、そう…。俺には全然区別がつかないよ」
駄目な彼氏だ。
恋人が化粧品を変えたら、気づいてあげるのが男の器量というものだ。
しかし、ルレイアさんは少しも気を悪くした様子はなく。
「それって、俺がいつも格好良いってことですよね?嬉し〜っ!」
めちゃくちゃポジティブですね。
幸せそうで何より。
「…」
ルルシーさんは、じとーっ、とした目でルレイアさんを睨んでいた。
成程、そういう関係ですか。理解しました。
「…ところで、ルーチェス」
「はい?」
ルルシーさんが、くるりとこちらを振り向いた。
横でルレイアさんがすりすりもふもふしているのに、普通に話しかけてくるとは。
さすが、慣れてますね。
「今日は珍しく、ドアからノックして入ってきたじゃないか」
ぎくっ。
普段は何処から入ってきてるんですか?
忍者?
ルルシーさんの心の中を除くに、普段の僕は、とんでもないところから侵入しているらしい。
令月さんとすぐりさんみたいな感じですね。
そうと知っていれば、こっそり侵入したんだけど。
「ちょっと気分転換してみました」
「ふーん…」
怪しまれ…てはいないようだが。
怪訝には思われてるようだな。
「あっ、それとも…いつも通り、違うところから入ってきた方が良かったですか?寂しかったです?やり直しましょうか?」
「アホか、そんな訳ないだろ。やり直さんで良い」
それは残念。
「それに、今日は来るの遅かったな」
ぎくっ。
よく見てますね。仲良しか。
言い訳…いかにも「普段の僕」らしい言い訳を考えなくては。
…そうだな。
「実は昨日、朝までベッドで元気に羽目を外し、」
「あーはいはい分かった。聞いた俺が悪かったよ」
折角考えた言い訳なんだから、聞いてくださいよ。
こちらは、全然疑われていないようだ。
いかにも普段の僕ってことらしい。それはそれで悲しい。
いやぁ、僕は清純なキャラのはずなんですけどねー。
ルルシーさんの方は、それで完璧に騙せた。
…しかし。
「…っ」
この場にいる「もう一人」の心を覗いて、僕は思わず息が止まりそうになった。


