帽子である。
僕は見覚えのない、緑色のダサい帽子を被っていた。
無駄にお洒落で、時計やトランプのチャームがついた、シルクハットだった。
何だ、このダサい帽子は…。コスプレみたいだ。
いずれにしても、僕の趣味ではない。
何で帽子…?「狂った帽子の世界」だから…?
それにしては、こじつけが過ぎる。
しかも。
「…脱げない…」
ダサい帽子を脱ごうとしたが、帽子は僕の頭の上に乗ったまま、びくともしなかった。
…被ってろってこと?
この世界にいる間は、ずっとこれを被って行動しろということか?
なんて横暴なんだ。
帽子を被るのは良いけど、折角なら、もっとセンスのある帽子が良かった…と。
思っていた、そのとき。
「…え」
鏡に、文字が浮かび上がった。
ちょっとした怪奇現象である。
が、ここは『不思議の国のアリス』が作り出した世界。
何が起きても、おかしいことはない。
…確か、ハンプティ・ダンプティに、「書いてあることに従え」と言われたんだっけ。
何のことだろうと思っていたが…これが、「書いてあること」なのだろうか。
すると。
「…deceive me…」
鏡に映った文字を、僕は口に出して読んだ。
…私を騙して、だろうか?
…成程、意味が分からない。
騙すって、誰を?何で?どうやって?
もっと補足情報が欲しかったが、僕が読み終えるのを待っていたかのように、鏡の文字は消えてなくなった。
追加の情報は、特に無し。
…不親切だなぁ…。
もうちょっと詳しく教えてくれないと、意味が分からないじゃないか。
この、ヒントになってそうでヒントにやってないヒントを元に、僕はアリスのお茶会の招待状を探さないといけないのか。
さて、そう上手く見つかるだろうか?
見つからなかったら死にます!と言われたら、僕は今すぐそこのベッドに寝転んで、制限時間が終わるのをゆったりと待つのだが。
残念ながら、この世界で死んだら、あの世へは行けないらしい。
それじゃあ意味がない。
僕はちゃんと死んで、ちゃんとあの世に行って、そしてリリスと再会したいのだ。
この世界に閉じ込められ、魂だけの存在になってフラフラ彷徨うなど、御免である。
そんな訳で、僕は今回も真面目に、招待状を探すことにしよう。
僕はいつも真面目ですけどね。
僕ほど真面目な人間は、なかなかいない。
…さて、それはともかく。
「まずは、この世界について…少しでも情報を…」
騙すというのがどういう意味なのか、探っていくとしよう。
…と、思ったのだが。
さっきから一つ、頭の帽子以外に、気になっていることがある。
なんか、この家…焦げ臭いんですけど。
もしかして、火事の現場に来てしまったのだろうか?
僕は見覚えのない、緑色のダサい帽子を被っていた。
無駄にお洒落で、時計やトランプのチャームがついた、シルクハットだった。
何だ、このダサい帽子は…。コスプレみたいだ。
いずれにしても、僕の趣味ではない。
何で帽子…?「狂った帽子の世界」だから…?
それにしては、こじつけが過ぎる。
しかも。
「…脱げない…」
ダサい帽子を脱ごうとしたが、帽子は僕の頭の上に乗ったまま、びくともしなかった。
…被ってろってこと?
この世界にいる間は、ずっとこれを被って行動しろということか?
なんて横暴なんだ。
帽子を被るのは良いけど、折角なら、もっとセンスのある帽子が良かった…と。
思っていた、そのとき。
「…え」
鏡に、文字が浮かび上がった。
ちょっとした怪奇現象である。
が、ここは『不思議の国のアリス』が作り出した世界。
何が起きても、おかしいことはない。
…確か、ハンプティ・ダンプティに、「書いてあることに従え」と言われたんだっけ。
何のことだろうと思っていたが…これが、「書いてあること」なのだろうか。
すると。
「…deceive me…」
鏡に映った文字を、僕は口に出して読んだ。
…私を騙して、だろうか?
…成程、意味が分からない。
騙すって、誰を?何で?どうやって?
もっと補足情報が欲しかったが、僕が読み終えるのを待っていたかのように、鏡の文字は消えてなくなった。
追加の情報は、特に無し。
…不親切だなぁ…。
もうちょっと詳しく教えてくれないと、意味が分からないじゃないか。
この、ヒントになってそうでヒントにやってないヒントを元に、僕はアリスのお茶会の招待状を探さないといけないのか。
さて、そう上手く見つかるだろうか?
見つからなかったら死にます!と言われたら、僕は今すぐそこのベッドに寝転んで、制限時間が終わるのをゆったりと待つのだが。
残念ながら、この世界で死んだら、あの世へは行けないらしい。
それじゃあ意味がない。
僕はちゃんと死んで、ちゃんとあの世に行って、そしてリリスと再会したいのだ。
この世界に閉じ込められ、魂だけの存在になってフラフラ彷徨うなど、御免である。
そんな訳で、僕は今回も真面目に、招待状を探すことにしよう。
僕はいつも真面目ですけどね。
僕ほど真面目な人間は、なかなかいない。
…さて、それはともかく。
「まずは、この世界について…少しでも情報を…」
騙すというのがどういう意味なのか、探っていくとしよう。
…と、思ったのだが。
さっきから一つ、頭の帽子以外に、気になっていることがある。
なんか、この家…焦げ臭いんですけど。
もしかして、火事の現場に来てしまったのだろうか?


