僕も『八千歳』も、それほど本気で追いかけはしなかった。
どれだけ追いかけても、白ウサギを捕まえることは出来ないと、何となく察しているからである。
案の定白ウサギは、一定の距離を保ったまま、それ以上は決して近寄れなかった。
心の距離、遠いなぁ。
それどころか。
「…いない」
途中で、追いかけてきた白ウサギの姿が見えなくなった。
忽然と消えてしまったかのようである。
多分、そういう「仕様」と言うか、「設定」と言うか、「筋書き」と言うか…。
要するに、僕達にはまだ、あの白ウサギを捕まえることは出来ないのだろう。
…それよりも。
「…家があるね」
「うん。村なのかなー?」
白ウサギを追いかけて、辿り着いたのは小さな村。
家々が点々と建っていて、生活感がある。
さっき僕達が見つけた家は、クッキーやらスティックチョコなど、あらゆるお菓子で出来たお菓子の家だったけど…。
こちらは「ミルフィーユの丘」というだけあって、全ての家がミルフィーユで出来ている。
壁も屋根も、玄関先のポストさえ、ミルフィーユで出来た家。
これもこれで、美味しそう。
でも、見た目がミルフィーユなだけで、食べてみたらまた別のお菓子の味がするんだろうな。
今度は何だろう…醤油せんべいとか?
まぁ、良いか。
村があるのは有り難い。
「ちょーどいーや。この村で聞いてみようよ」
と、『八千歳』が言った。
「うん。白ウサギのことと…それから、招待状のことも聞いてみようか」
何か有益な情報を得られるかも。
そう思って、僕と『八千歳』が村に足を踏み入れた、そのとき。
僕の懐に入れていた、ドーナツの薄い包み紙が、はらりと落っこちた。
「おっと…」
落とした包み紙を拾おうとしたら、丁度強い風が拭き。
包み紙ははらりと宙を舞って、ミルフィーユの家の軒先に飛ばされた。
あぁ、包み紙にまで逃げられる。
追いかけて、包み紙を拾おうとした僕の前に。
玄関先でお掃除中だった村の住人が、突然大声をあげた。
「こらっ!あんた達、そこで何してるんだい!」
竹箒を持った太り気味のおばさんが、僕の前に仁王立ち。
びっくりした。
「何って…。僕達ちょっと人探しを…いや、ウサギ探しをして…」
と、言おうとしたのだが。
「人の家の前にゴミを捨てるなんて、マナーのなってない子達だね!」
…拾おうとしたのに。
何故か説教をされた。
…何だろう。凄く面倒臭いことになる予感。
どれだけ追いかけても、白ウサギを捕まえることは出来ないと、何となく察しているからである。
案の定白ウサギは、一定の距離を保ったまま、それ以上は決して近寄れなかった。
心の距離、遠いなぁ。
それどころか。
「…いない」
途中で、追いかけてきた白ウサギの姿が見えなくなった。
忽然と消えてしまったかのようである。
多分、そういう「仕様」と言うか、「設定」と言うか、「筋書き」と言うか…。
要するに、僕達にはまだ、あの白ウサギを捕まえることは出来ないのだろう。
…それよりも。
「…家があるね」
「うん。村なのかなー?」
白ウサギを追いかけて、辿り着いたのは小さな村。
家々が点々と建っていて、生活感がある。
さっき僕達が見つけた家は、クッキーやらスティックチョコなど、あらゆるお菓子で出来たお菓子の家だったけど…。
こちらは「ミルフィーユの丘」というだけあって、全ての家がミルフィーユで出来ている。
壁も屋根も、玄関先のポストさえ、ミルフィーユで出来た家。
これもこれで、美味しそう。
でも、見た目がミルフィーユなだけで、食べてみたらまた別のお菓子の味がするんだろうな。
今度は何だろう…醤油せんべいとか?
まぁ、良いか。
村があるのは有り難い。
「ちょーどいーや。この村で聞いてみようよ」
と、『八千歳』が言った。
「うん。白ウサギのことと…それから、招待状のことも聞いてみようか」
何か有益な情報を得られるかも。
そう思って、僕と『八千歳』が村に足を踏み入れた、そのとき。
僕の懐に入れていた、ドーナツの薄い包み紙が、はらりと落っこちた。
「おっと…」
落とした包み紙を拾おうとしたら、丁度強い風が拭き。
包み紙ははらりと宙を舞って、ミルフィーユの家の軒先に飛ばされた。
あぁ、包み紙にまで逃げられる。
追いかけて、包み紙を拾おうとした僕の前に。
玄関先でお掃除中だった村の住人が、突然大声をあげた。
「こらっ!あんた達、そこで何してるんだい!」
竹箒を持った太り気味のおばさんが、僕の前に仁王立ち。
びっくりした。
「何って…。僕達ちょっと人探しを…いや、ウサギ探しをして…」
と、言おうとしたのだが。
「人の家の前にゴミを捨てるなんて、マナーのなってない子達だね!」
…拾おうとしたのに。
何故か説教をされた。
…何だろう。凄く面倒臭いことになる予感。


