「それで?どうやって向こうに飛び移るんだ?」
「飛び移るんじゃなくて、渡れないかなと思って」
…渡る?
「渡るって言っても…どうやって?」
ロープを繋げる…とか?
そんなに都合良くロープはないけど…。
「橋だよ、橋。箸を橋代わりにして、向こう側に渡ろう」
と、シルナは名案!みたいな顔をして、しょーもないことを言った。
…ごめんな。今俺、余裕ないからさ。
シルナの下らない洒落は、聞かなかったことにするよ。
「箸を、橋代わりに…。そんな長い箸、あるか?」
「さっき、棚の中に…ほら、あれ。あれなら届くんじゃないかな?」
シルナの指差す先には、細長い菜箸が置いてあった。
成程、菜箸か。
菜箸をこちら側から、橋代わりに渡せば…向こう側の食料庫に届くかもしれない。
やってみる価値はありそうだな。
問題は…。
「二人で運べるか…?この菜箸…」
人間サイズなら、指二本で軽く運べるけど。
今の俺達にとっては、巨大な丸太を転がすようなものだ。
「持ち運ぶ…のは無理だから、何とか向こうまで転がすしかないね…」
…相当な重労働になりそうだ。
…しかし、現状…これ以外に、現実的な方法はない。
となれば、やるしかないか。
「よし…物は試しだ。やってみよう」
今なら、厨房には誰もいない。
こっそり菜箸を動かしても、バレる心配はないだろう。
誰かが厨房に戻ってくる前に、早いところ動かさなくては。
巨大な丸太のような菜箸を、俺はシルナと共に、全力で転がした。
凄まじい重労働。
「シルナ、もっと本腰入れろ。ぎっくり腰にびびってる場合じゃないぞ」
「び、び、びびってないよ…!そ、それより…届きそう…!?」
「もうちょっと右…もうちょっと…。よし、そこだ」
食器棚から、菜箸が一本、突き出した形。
成程、箸が橋代わりになってる。
「微妙に…届いてないな」
「うん…さすがに遠いね…」
残念ながら、ここまでやっても…菜箸の橋は、向こう岸に届いていない。
…だが。
ここまでやったからこそ、この努力を無駄にはしない。
「…菜箸の先からジャンプすれば、届くんじゃないか?」
「えっ…!羽久、本気…?」
俺は至って本気だ。
「思いっきりダイブすれば、ギリギリ届くだろ」
「あ、危ないよ…!」
「危険なのは百も承知だ」
分かってるけど、でも他に方法なんてないだろ。
制限時間がある以上、時間を無駄にする訳にはいかない。
ここから食料庫に飛び移る機会を、悠長に待ってはいられない。
やれることがあるなら、何でもやってみるべきだ。
例え命の期限が迫っていようとも。
何もせず、制限時間が来るのを待っているよりはマシ。
「シルナは無理しなくて良い。ここで待っててくれ。俺が飛ぶよ」
ビビりチキンのシルナじゃ、腰が引けて動けまい。
俺が向こう側に渡って、食料庫の中を調べてこよう。
…と、思ったのだが。
「飛び移るんじゃなくて、渡れないかなと思って」
…渡る?
「渡るって言っても…どうやって?」
ロープを繋げる…とか?
そんなに都合良くロープはないけど…。
「橋だよ、橋。箸を橋代わりにして、向こう側に渡ろう」
と、シルナは名案!みたいな顔をして、しょーもないことを言った。
…ごめんな。今俺、余裕ないからさ。
シルナの下らない洒落は、聞かなかったことにするよ。
「箸を、橋代わりに…。そんな長い箸、あるか?」
「さっき、棚の中に…ほら、あれ。あれなら届くんじゃないかな?」
シルナの指差す先には、細長い菜箸が置いてあった。
成程、菜箸か。
菜箸をこちら側から、橋代わりに渡せば…向こう側の食料庫に届くかもしれない。
やってみる価値はありそうだな。
問題は…。
「二人で運べるか…?この菜箸…」
人間サイズなら、指二本で軽く運べるけど。
今の俺達にとっては、巨大な丸太を転がすようなものだ。
「持ち運ぶ…のは無理だから、何とか向こうまで転がすしかないね…」
…相当な重労働になりそうだ。
…しかし、現状…これ以外に、現実的な方法はない。
となれば、やるしかないか。
「よし…物は試しだ。やってみよう」
今なら、厨房には誰もいない。
こっそり菜箸を動かしても、バレる心配はないだろう。
誰かが厨房に戻ってくる前に、早いところ動かさなくては。
巨大な丸太のような菜箸を、俺はシルナと共に、全力で転がした。
凄まじい重労働。
「シルナ、もっと本腰入れろ。ぎっくり腰にびびってる場合じゃないぞ」
「び、び、びびってないよ…!そ、それより…届きそう…!?」
「もうちょっと右…もうちょっと…。よし、そこだ」
食器棚から、菜箸が一本、突き出した形。
成程、箸が橋代わりになってる。
「微妙に…届いてないな」
「うん…さすがに遠いね…」
残念ながら、ここまでやっても…菜箸の橋は、向こう岸に届いていない。
…だが。
ここまでやったからこそ、この努力を無駄にはしない。
「…菜箸の先からジャンプすれば、届くんじゃないか?」
「えっ…!羽久、本気…?」
俺は至って本気だ。
「思いっきりダイブすれば、ギリギリ届くだろ」
「あ、危ないよ…!」
「危険なのは百も承知だ」
分かってるけど、でも他に方法なんてないだろ。
制限時間がある以上、時間を無駄にする訳にはいかない。
ここから食料庫に飛び移る機会を、悠長に待ってはいられない。
やれることがあるなら、何でもやってみるべきだ。
例え命の期限が迫っていようとも。
何もせず、制限時間が来るのを待っているよりはマシ。
「シルナは無理しなくて良い。ここで待っててくれ。俺が飛ぶよ」
ビビりチキンのシルナじゃ、腰が引けて動けまい。
俺が向こう側に渡って、食料庫の中を調べてこよう。
…と、思ったのだが。


