何者から送られてきたのか、この挑戦的な手紙。
封筒には、送り主の名前が書かれていた。
「アトラス様へ――――あなたを慕う人魚姫より」と。
人魚姫…人魚?
これって、悪戯でなかったら、もしかして…。
羽久さんが言っていた…童話シリーズの人魚姫…?
…じゃあ、これはもしかして。
人魚姫さんからアトラスさんに送る、ラブレター、
「…!」
私は身体に電流が走ったかのように、その場に立ち尽くした。
どうしよう、まさかこんなものがアトラスさんに送られてくるなんて。
この手紙、どう…。
と、考えたそのとき。
ガチャッ、と執務室の扉が開いた。
「ふぅ、疲れ…。…ん?シュニィじゃないか!」
このときようやく、部屋主が戻ってきた。
あ、アトラスさん…。あなたなんてタイミングで。
私は反射的に、サッ、と手紙を後ろ手に隠した。
そしてそのまま、手紙をこっそりスカートのポケットに忍ばせた。
「あ、アトラスさん…お帰りなさい…」
「あぁ、ただいま。シュニィ、待っててくれたのか?」
「え、えぇ…」
「そうか!帰ってきて一番にシュニィの顔を見ると、一瞬で疲れが吹き飛ぶな!」
…そ…それは良かったですね。
「…ところで、シュニィ」
「は、はい…?」
「今、何か隠さなかったか?」
ぎくっ。
あ、アトラスさん。見ていたのですね。
「な、何も隠しては…」
私は言い訳を探して、視線をぐるぐると彷徨わせた。
我ながら、冷静さを欠いている自覚がある。
あんな挑戦的なラブレターを見たら、誰だって狼狽えますよ。
「な、何でもありません。大丈夫です」
「…?シュニィ?」
「そ、そ、それより。遅かったですね。もう少し早く帰ってくるものだと思っていました」
私は、何とか強引に話を変えた。
「あぁ、帰り道で一部、交通規制がかかっている場所があってな」
そうだったんですか。
道が混んでいて、それで帰りが遅れたんですね。
成程、そんなことだろうと思いました。
「そ、そうでしたか…。無事に戻ってきてくれて、良かったです」
「勿論だ。シュニィのいるところが、俺の帰るべき場所だからな。どれだけ時間がかかっても、俺は必ずシュニィのところに帰ってくるぞ!」
…それは有り難いですね。
「…それで?シュニィ、どうしたんだ?」
「え?」
「俺に、何か用事があって待ってたんじゃないか?」
…それは…。
…そう、なんですけど。
まさか、あなたに言い寄る女性がいるのではないかと心配で…とも、言えず。
封筒には、送り主の名前が書かれていた。
「アトラス様へ――――あなたを慕う人魚姫より」と。
人魚姫…人魚?
これって、悪戯でなかったら、もしかして…。
羽久さんが言っていた…童話シリーズの人魚姫…?
…じゃあ、これはもしかして。
人魚姫さんからアトラスさんに送る、ラブレター、
「…!」
私は身体に電流が走ったかのように、その場に立ち尽くした。
どうしよう、まさかこんなものがアトラスさんに送られてくるなんて。
この手紙、どう…。
と、考えたそのとき。
ガチャッ、と執務室の扉が開いた。
「ふぅ、疲れ…。…ん?シュニィじゃないか!」
このときようやく、部屋主が戻ってきた。
あ、アトラスさん…。あなたなんてタイミングで。
私は反射的に、サッ、と手紙を後ろ手に隠した。
そしてそのまま、手紙をこっそりスカートのポケットに忍ばせた。
「あ、アトラスさん…お帰りなさい…」
「あぁ、ただいま。シュニィ、待っててくれたのか?」
「え、えぇ…」
「そうか!帰ってきて一番にシュニィの顔を見ると、一瞬で疲れが吹き飛ぶな!」
…そ…それは良かったですね。
「…ところで、シュニィ」
「は、はい…?」
「今、何か隠さなかったか?」
ぎくっ。
あ、アトラスさん。見ていたのですね。
「な、何も隠しては…」
私は言い訳を探して、視線をぐるぐると彷徨わせた。
我ながら、冷静さを欠いている自覚がある。
あんな挑戦的なラブレターを見たら、誰だって狼狽えますよ。
「な、何でもありません。大丈夫です」
「…?シュニィ?」
「そ、そ、それより。遅かったですね。もう少し早く帰ってくるものだと思っていました」
私は、何とか強引に話を変えた。
「あぁ、帰り道で一部、交通規制がかかっている場所があってな」
そうだったんですか。
道が混んでいて、それで帰りが遅れたんですね。
成程、そんなことだろうと思いました。
「そ、そうでしたか…。無事に戻ってきてくれて、良かったです」
「勿論だ。シュニィのいるところが、俺の帰るべき場所だからな。どれだけ時間がかかっても、俺は必ずシュニィのところに帰ってくるぞ!」
…それは有り難いですね。
「…それで?シュニィ、どうしたんだ?」
「え?」
「俺に、何か用事があって待ってたんじゃないか?」
…それは…。
…そう、なんですけど。
まさか、あなたに言い寄る女性がいるのではないかと心配で…とも、言えず。


