「…顔色一つ変えないんだね」
「予想通りだったからな」
そんなことだろうと思っていたから、驚きはしない。
…ただ、予想が外れて欲しかったってのは、事実だ。
つまりベリクリーデは…羽久・グラスフィアと同じく…。
「私が生まれた理由…分かるでしょ?」
「まぁ、大体な」
実は、ベリクリーデが多重人格者だったって?
そういう訳じゃない。
ベリクリーデの中にいた人格は、元々は一人だけだった。
ご存知の、あのいつものベリクリーデだ。
この、新しい人格は…後天的に生まれたものだ。
「君も知っての通りだよ。ベリクリーデ…この子は聖なる神に選ばれた、神の器」
「…」
「神の器は、その身に神の力を宿すが故に、人智を超えた強大な力を持つ…。けど、本来神の力は、人の身には余るもの。だから…」
「その分、人格が不安定になる。だろ?」
「…うん、そう」
つまりお前は…羽久・グラスフィアと同じ理由で、この世に生まれた存在って訳だ。
羽久…あいつは、元々あの身体の本来の持ち主ではない。
「前の」羽久…二十音(はつね)・グラスフィアが、あの身体のオリジナルだった。
しかし二十音・グラスフィアは、邪神をその身に宿すが故に、精神的に非常に不安定だ。
強大な力を持ってはいるが、制御が効かない。
シルナ・エインリーが手綱を引いているから、まだ大人しいものの…。
あれでシルナがいなかったら、今頃世界は3、4回くらい滅びてるんじゃないか。
ベリクリーデも、二十音と同じようになりつつあるのだろう。
元々ベリクリーデも、見た目に反して、中身は非常に幼い。
それはベリクリーデの性格…もあるのかもしれないが。
神の器として覚醒しつつあるベリクリーデが、自らの精神面の未熟さを補う為。
ある種の防衛機制として、無意識に新たな人格を生み出したのだと考えられる。
そうやって生み出された人格が、今俺の目の前にいるこいつだ。
「その不安定な精神面を支える為に…。神の力の暴走を防ぐ為に、私は生まれた。だから私はこの身体の、ベリクリーデの味方だよ」
…成程。
…さっきよりは、もう少し信用してやろう。
「…なら、何で自分が生まれたことを黙ってた?わざわざベリクリーデの物真似までして…」
「余計な詮索をされたくなかったし、心配もかけたくなかったから…。黙っておけるなら、黙っておきたかったんだよ」
そうか。
じゃ、俺が気付かなかったら…誰にもバレないまま、ベリクリーデのフリをしたこいつが、ベリクリーデの代わりを務めていたんだな。
「だけど…君だけは騙せなかったみたいだね」
当たり前だろ。
俺の目は、そこまで節穴じゃないぞ。
他の奴を騙せても、俺だけは騙せない。
「予想通りだったからな」
そんなことだろうと思っていたから、驚きはしない。
…ただ、予想が外れて欲しかったってのは、事実だ。
つまりベリクリーデは…羽久・グラスフィアと同じく…。
「私が生まれた理由…分かるでしょ?」
「まぁ、大体な」
実は、ベリクリーデが多重人格者だったって?
そういう訳じゃない。
ベリクリーデの中にいた人格は、元々は一人だけだった。
ご存知の、あのいつものベリクリーデだ。
この、新しい人格は…後天的に生まれたものだ。
「君も知っての通りだよ。ベリクリーデ…この子は聖なる神に選ばれた、神の器」
「…」
「神の器は、その身に神の力を宿すが故に、人智を超えた強大な力を持つ…。けど、本来神の力は、人の身には余るもの。だから…」
「その分、人格が不安定になる。だろ?」
「…うん、そう」
つまりお前は…羽久・グラスフィアと同じ理由で、この世に生まれた存在って訳だ。
羽久…あいつは、元々あの身体の本来の持ち主ではない。
「前の」羽久…二十音(はつね)・グラスフィアが、あの身体のオリジナルだった。
しかし二十音・グラスフィアは、邪神をその身に宿すが故に、精神的に非常に不安定だ。
強大な力を持ってはいるが、制御が効かない。
シルナ・エインリーが手綱を引いているから、まだ大人しいものの…。
あれでシルナがいなかったら、今頃世界は3、4回くらい滅びてるんじゃないか。
ベリクリーデも、二十音と同じようになりつつあるのだろう。
元々ベリクリーデも、見た目に反して、中身は非常に幼い。
それはベリクリーデの性格…もあるのかもしれないが。
神の器として覚醒しつつあるベリクリーデが、自らの精神面の未熟さを補う為。
ある種の防衛機制として、無意識に新たな人格を生み出したのだと考えられる。
そうやって生み出された人格が、今俺の目の前にいるこいつだ。
「その不安定な精神面を支える為に…。神の力の暴走を防ぐ為に、私は生まれた。だから私はこの身体の、ベリクリーデの味方だよ」
…成程。
…さっきよりは、もう少し信用してやろう。
「…なら、何で自分が生まれたことを黙ってた?わざわざベリクリーデの物真似までして…」
「余計な詮索をされたくなかったし、心配もかけたくなかったから…。黙っておけるなら、黙っておきたかったんだよ」
そうか。
じゃ、俺が気付かなかったら…誰にもバレないまま、ベリクリーデのフリをしたこいつが、ベリクリーデの代わりを務めていたんだな。
「だけど…君だけは騙せなかったみたいだね」
当たり前だろ。
俺の目は、そこまで節穴じゃないぞ。
他の奴を騙せても、俺だけは騙せない。


