神殺しのクロノスタシスⅤ〜前編〜

…さてと。

ようやく、誰もいなくなった。

医務室の中は、俺とベリクリーデの二人だけだ。

「んー。難しいねー」

ベリクリーデは、ベッドの横で、昨日俺が教えた紙飛行機を折っていた。

相変わらず、くちゃくちゃにしてしまっている。

「300メートルくらい飛ぶ紙飛行機を作りたい」

「…それは無理だろ…」

お前はまず、30センチでも良いから、前に進む紙飛行機を折ったらどうだ?

…いや、それは簡単なことか。

「お前」にとってはな。

「…それで?」

俺は改めて、ベリクリーデに。

…いや。

「お前、誰だ?」

…ベリクリーデの姿をした偽物に、そう尋ねた。