ベリクリーデのか細い記憶に頼っだだけの、不確定な情報ではあるが。
しかし、黙っているよりはマシだろう。
「…それについてだが、ベリクリーデが断絶空間に送られる前、妙なものを見たらしい」
俺は、そう口を開いた。
「?妙なものって?」
「一人はベリクリーデのドッペルゲンガー。それから、もう一人…暗闇の中に、子供の人影を見たらしい。…だろ?ベリクリーデ」
ベリクリーデに話を振ると。
「…ほぇ?」
何事ですかみたいな顔で、きょとんとしていた。
お前、ちゃんと話聞いてた?
お前の話してるんだぞ、今。
「断絶空間に送られる前、部屋の中に子供の人影を見たって言ってただろ?」
「人影?うん、見たよ」
よし。
「それと、死体の匂いがしたの。一瞬だけど」
あぁ、それな。
「俺も、ベリクリーデが消えた翌朝、こいつの部屋に入ったら…僅かに腐敗臭が残ってた」
「…腐敗臭…ですか」
「あぁ。今回の件と、何か関係があるのかは分からないが…」
匂いってのは、五感の中でも比較的不確かな情報だからな。
一瞬のことだったし、正直、あの匂いを思い出せと言われても、出来ない。
だが、ベリクリーデが見たという人影。
それは確かな情報だろう。
「ベリクリーデのドッペルゲンガーに、協力者がいたってことか?」
「その協力者が、オリジナルのベリクリーデさんを断絶空間に送るよう、入れ知恵したと…?」
「入れ知恵どころか…。その子がベリクリーデちゃんを断絶空間に送ったんじゃないかな。元々、誰かを断絶空間に送るなんて…ドッペルゲンガーには出来ないはずだよ」
…皆分かってきたな。
そう。ベリクリーデの話が本当なら…今回の件は、予想以上に根が深い。
『オオカミと七匹の子ヤギ』という、一つの魔法道具が引き起こした事件…の、範疇に留まらない。
ドッペルゲンガーベリクリーデに協力してた子供の人影、っていうのは…一体、誰なんだ?
少なくとも、俺達の味方でないことは確かだな。
「俺達に何らかの悪意があるなら…また来るかもしれねぇな」
「うーん。…そうかも…」
「人を断絶空間に送ることを思いつくような奴だからな…。危険極まりないぞ」
だろうな。
今度は何してくるか、分かったもんじゃない。
「学院長先生…。その子供に、何か覚えは…?」
「全くないなぁ…。子供…うちの生徒って訳じゃないだろうし…」
それは有り得ないだろうな。
「とにかく…警戒は強めておきましょう。夜間の警備も増員して…」
「そうだね…。念の為に、学院の見張りも増やしておくよ。私の分身を量産して…」
便利だな、お前。
「分身って、お前…。砂糖撒いたらあっという間に警備を放り出す分身なんか、いくら量産しても意味ないだろ」
「うぐっ…」
…そんな習性があるのか?
…便利かと思ったが、意外とそうでもないのかもな。
しかし、黙っているよりはマシだろう。
「…それについてだが、ベリクリーデが断絶空間に送られる前、妙なものを見たらしい」
俺は、そう口を開いた。
「?妙なものって?」
「一人はベリクリーデのドッペルゲンガー。それから、もう一人…暗闇の中に、子供の人影を見たらしい。…だろ?ベリクリーデ」
ベリクリーデに話を振ると。
「…ほぇ?」
何事ですかみたいな顔で、きょとんとしていた。
お前、ちゃんと話聞いてた?
お前の話してるんだぞ、今。
「断絶空間に送られる前、部屋の中に子供の人影を見たって言ってただろ?」
「人影?うん、見たよ」
よし。
「それと、死体の匂いがしたの。一瞬だけど」
あぁ、それな。
「俺も、ベリクリーデが消えた翌朝、こいつの部屋に入ったら…僅かに腐敗臭が残ってた」
「…腐敗臭…ですか」
「あぁ。今回の件と、何か関係があるのかは分からないが…」
匂いってのは、五感の中でも比較的不確かな情報だからな。
一瞬のことだったし、正直、あの匂いを思い出せと言われても、出来ない。
だが、ベリクリーデが見たという人影。
それは確かな情報だろう。
「ベリクリーデのドッペルゲンガーに、協力者がいたってことか?」
「その協力者が、オリジナルのベリクリーデさんを断絶空間に送るよう、入れ知恵したと…?」
「入れ知恵どころか…。その子がベリクリーデちゃんを断絶空間に送ったんじゃないかな。元々、誰かを断絶空間に送るなんて…ドッペルゲンガーには出来ないはずだよ」
…皆分かってきたな。
そう。ベリクリーデの話が本当なら…今回の件は、予想以上に根が深い。
『オオカミと七匹の子ヤギ』という、一つの魔法道具が引き起こした事件…の、範疇に留まらない。
ドッペルゲンガーベリクリーデに協力してた子供の人影、っていうのは…一体、誰なんだ?
少なくとも、俺達の味方でないことは確かだな。
「俺達に何らかの悪意があるなら…また来るかもしれねぇな」
「うーん。…そうかも…」
「人を断絶空間に送ることを思いつくような奴だからな…。危険極まりないぞ」
だろうな。
今度は何してくるか、分かったもんじゃない。
「学院長先生…。その子供に、何か覚えは…?」
「全くないなぁ…。子供…うちの生徒って訳じゃないだろうし…」
それは有り得ないだろうな。
「とにかく…警戒は強めておきましょう。夜間の警備も増員して…」
「そうだね…。念の為に、学院の見張りも増やしておくよ。私の分身を量産して…」
便利だな、お前。
「分身って、お前…。砂糖撒いたらあっという間に警備を放り出す分身なんか、いくら量産しても意味ないだろ」
「うぐっ…」
…そんな習性があるのか?
…便利かと思ったが、意外とそうでもないのかもな。


